草木染め25:藍の生葉染め《その2》

昨年に続き、今年も日照り続きの小田原。7月からまとまった雨はほとんど降らず、草刈機を動かすと、砂ぼこりが立つくらい、畑の土はカラッカラ。先週の台風と今日、やっとまとまった雨が降ったので畑の植物もほっとしていることでしょう。そんな状況でしたので、雨が好きな藍の生育はいまいち。半日陰で育てているので、枯れることはなかったけれど、知人の畑の藍は、この日照りで枯れることもあったという話を聞きました。今年は畑の通路や境界線、電気柵周りのみ草刈りをしただけで、あとは雑草を足で踏みつけて倒すだけにしました。草を刈らずに倒しておくことで、そこに朝露がたまっているのか、なんとか枯れずにがんばっています。これからは草の力を味方につけて、地温の上昇を防ぐ対策を考えていく必要がありそうです。

さて、先日ある雑誌の取材協力で「藍の生葉染め」を行いました。撮影までの間に、試し染めを2回行いました。どちらも家に持ち帰ってエアコンの効いた部屋で行いました。収穫した時間帯の違いでしょうか、ずいぶんと色に差が出て、おもしろい結果になりました。朝の早い時間に収穫した藍の葉のほうが、青みがかった色に染まり、お昼頃に収穫した藍の葉のほうが、グリーンがかった青に染まりました。なかなか奥深い藍の生葉染め。育てた人じゃないと味わえないすてきなブルー。ちなみに植物で青に染まるのは、私の知る限り藍とクサギの実です。クサギの実はこれからの季節に採集できますので、今からぜひクサギの木を探してみてくださいね。

1)今回もすべてシルク100%の素材を使いました。ストール、コースター、ハンドウォーマー。

シルク

2)今年の藍の葉はたくさん虫食いがありました。

藍の葉

3)茎と葉に分けます。藍の茎4)葉は200g使用しました。

藍の葉

5)洗濯用のネットにいれます。

藍の葉

6)たらいに水を入れ、ひたすら洗濯ネットを揉みます。

藍の生葉染め7)生地を入れて20分ほど浸します。生地の厚さによって浸す時間も前後します。

藍の生葉染め

8)染液から布を取り出し軽く絞った状態。とても濃く染まっていますが、乾くと水色に変わります。

藍の生葉染め

9)水の色が透明になるまで洗います。

藍の生葉染め

10)使い終わった藍は、庭や畑に捨てて土の肥しにしてください。

藍の生葉染め

美しいインディゴブルーに染まったストールたち。生地の風合いによって色が変わります。

藍の生葉染め

2024年9月号のシュクコジャーナルの中で、もう少し詳しく「藍の生葉染め」を掲載する予定です。